マツダデザインへの賛否

車のフロントデザインはフロントマスクとも呼ばれ、まさに車にとって顔のようなものです。車のイメージを左右する重要な部分であり、私達が多くの車種から購入する車を選ぶ際の要因にもなります。そのフロントマスクについてマツダ車の評判は賛否両論です。

 

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否定的な意見には、どの車種も同じ顔で代わり映えがせず、車種ごとの個性がなく面白くないといったものが目立ちます。確かに車に詳しい人でも遠目から正面を見ただけでは、見分けがつきにくく間違えることもあるでしょう。デミオアクセラCX-3などはサイズも近いので特に分かりにくいですよね。

しかしこれはデザイナーがサボっている訳ではなく、メーカーの戦略であることは言うまでもありません。欧州車はメーカーのアイデンティティを主張するため、フロントマスクに共通のデザインを採用しています。ヨーロッパを非常に重要なマーケットとしているマツダが同様の手法を取るのは理解出来ますが、これは海外戦略のためだけではありません。

 

マツダの国内自動車販売台数のシェアは23万台で全体の5%、ちなみに国内シェア1位のトヨタは153万台で34%ですので、大きな差があるのがわかります。市街地を走っていて100台の車とすれ違ったとしたら、1/3にあたる34台がトヨタ車で、マツダ車はたった5台だけです。普通なら数の少ないマツダ車はあまり印象に残らないでしょう。

しかし、その5台全てが同じようなフロントマスクであれば、より印象に残りやすくマツダ車がたくさん走っているように感じさせることが出来るでしょう。これこそがメーカー側の狙いであり、一目でマツダの車だとわかるように統一感のあるデザインになっているのです。

 

マツダ車のフロントマスクで特徴的なのは、シグネチャーウイングと呼ばれるグリルの形状です。グリルのデザインを統一してアイデンティティを主張する手法は他のメーカーにも見られ、有名なのものにはBMWのキドニーグリルアウディのシングルフレームグリルレクサスのスピンドルグリルなどがあり、メーカーのロゴを見なくても遠くからそのデザインを見ただけで、どこの車か判別することが出来るようになっています。

 

ただ、こうしたマツダのデザインに対する否定的な意見も理解出来ます。統一感を持たせたデザインとは言え、あまりにも似すぎていると思うからです。共通のアイデンティティを持たせながらも、もう少し工夫して車種ごとの個性を演出した方が、オーナーの満足度も高まると思います。高価な車種と低価格な車種が同じデザインでは、所有する喜びが削がれてしまいますよね。

 

元々マツダは高級車ではなく、大衆車とスポーツカーのイメージが強いメーカーです。確かに今のデザインはスポーティであり、現在の車種ラインナップには合っているように思います。しかし今後、よりグレードの高い車種を投入する場合には、もっと高級感を持たせた新たなデザインが求められるのではないでしょうか。アイデンティティを大切にしながらも、新しい挑戦をして欲しいと願います。